【ラグビーW杯】「携帯を失くすなら日本で」 帰国前日にアイルランド番記者が感動した“おもてなし”
帰国前日に携帯を紛失した記者が体験した感動エピソードとは
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会では世界各国からメディアが集結。史上初の8強進出を果たした日本の勇敢な戦いぶり、母国チームが合宿地の人々と育んだ絆など、様々なエピソードを発信している。そんな中、準々決勝で敗退の決まったアイルランドメディアが日本で起きた感動のおもてなしエピソードを紹介。「もし、携帯電話を失くすなら、日本をオススメします」と絶賛している。
「最後のグッバイ ラグビーW杯日記:私の失くした携帯電話を日本人が戻してくれた時間こそが彼らの国民性の証明だ」と見出しで報じたのは地元紙「アイリッシュ・サン」だった。世界ランク1位で開幕を迎え、優勝候補と目されたアイルランドは1次リーグで日本と激闘を繰り広げ、19日の準々決勝で3連覇を狙うニュージーランドに14-46で敗れ、敗退が決まった。
日本で取材していたニール・オリオーダン記者も帰国の途に就いたが、その直前にアクシデントに見舞われたという。「携帯紛失」だった。
「もし、あなたがどこかで自分の携帯を失くすとするなら、日本で失くすことをオススメします。失くすこと自体をオススメしているわけではありませんが、戻ってくる可能性は世界のどこよりも遥かに高いでしょう。自分の経験上の話です」
22日の夜便に帰国する前日に携帯電話を紛失したことに気づいたという。海外出張中の記者にとっては死活問題だったが、救いの神が現れた。
「どうにかこうにか、タクシーの領収書を持っていたので、レセプショニストがとても親切に会社に電話をしてくれたおかげで、彼らは携帯をキープしていることを確認してくれました」
タクシー会社に到着すると、さらなる“感動体験”が…
タクシーに置き忘れていたことをホテルのフロントのサポートで突き止めることに成功したオリオーダン記者。タクシーに乗って回収に向かうことに決めたが、そこでさらなる感動が待っていた。
「到着すると、私の携帯が待っていただけではない。彼らは充電までしてくれていたようなのだ。まさにレジェンドだ」
回収直後に使えるようにと、タクシー会社の細やかな“おもてなし”に感激。ただ、「伝説級」とまで称賛した日本人の優しさも「しかし、これも驚きには映らなかった」ともつづっている。
「ホテルの部屋でチェックアウトする際にわざと小銭を残すが、スタッフは客のミスである場合に備え、住所にコインを送るというトラブルにまで発展することもあるのだ」
宿泊先の感謝のチップも忘れ物かもしれないと配慮する日本人のサービス精神の高さから、伝説級のおもてなしも想定内と分析している。
無事に携帯を回収したオリオーダン記者はウキウキとお土産の買い物を楽しんだという。日本に別れを告げたアイルランド番記者も最後に受けた日本人の優しさは記憶に深く刻まれた様子だった。(THE ANSWER編集部)